先日、近所のホームセンターへ買い物に行ったときの出来事。
陶芸なんか全然興味ないのに、なぜか『陶芸用の土』売り場をウロウロし、塊で売ってる土をペタペタと触りまくってたとき、突然小学生2人組に声をかけられた。
「すいません」
振り向くと、手にノートを持った少年2人。
小学生に声をかけられるなんてことは滅多にないので、若干ビビる俺。
続けて小学生は、おもむろに自己紹介を始めた。
「平成小学校5年2組、○○○○です。よろしくお願いします」
表情一つ変えずに淡々と自己紹介をする小学生からは、『よろしくお願いしてほしい雰囲気』はまったく伝わってこなかったが、とりあえず俺も「よろしくお願いします」と返した。
ノート片手に年上の人に話しかけるということは、確実に学校の社会科かなんかの課題なんだとは思ったが、どんな質問を投げかけられるのか、ドキドキモノである。
そして少年から質問が。
「エスカレータは便利ですか?」
・・・・っと・・・、これはかなり意外な質問だぞ・・・!
エスカレーターは便利かどうか、そんなこと普段考えて生活していなかった・・・。便利か便利じゃないか、答えはそのどっちかなのに、なぜか悩む俺。
5秒後、微妙にどもりつつも、「べ、便利です」と答えた。
それで質問は終わりかと思った。
しかし、便利ですと答えた直後・・・
「なんでですか?」
質問が単刀直入すぎてキツイ。しかもエスカレーターがなんで便利なのか、そんなこと普段考えてエスカレーターに乗っていない。
「なんででですか?・・・うーん、なんでだろう・・・あはは・・・」
と、すぐ答えが出せないもんだから、少し笑って誤魔化した。
しかし小学生2人は表情ひとつ変えずに、依然として俺の目を見続ける。
なんとなく、大人としてイカン雰囲気が漂い始めた。
回答に時間がかかりすぎるとヤバそうなので、とりあえず「疲れないからです・・・」とものすごくありきたりで、全然参考にならなさそうなことを言ってしまった。
「わかりましたありがとうございました」
相変わらず表情を変えず、そしてまったくありがたくなさそうに、少年達は去っていった。
いかにも小学生的なストレートな質問。こういう質問って、もう出来上がってしまってる大人の頭だと、ありきたりの回答しかできないと思うのは俺だけだろうか。なんか、自分が小学生の頃は、もっと想像力豊かで、いろんな思想を駆け巡らすことができた気がする。
去り行く小学生の背中を見て、ふとそんな事を思った昼下がりのホームセンターであった。