3回にわたって書き連ねてきた今回のツーレポ、最終回である。
この最終回を初めてご覧になった方は、
下のほうにある「その1」から見ていただければ幸いです。
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雨の中、おばさんたちの暖かいお見送りを背中に受けつつホテルから出発。
まず目指すは今回のメイン地点でもあり、河津桜が咲き乱れる河津町である。
河津町までは約20分で到着。走った道はまさに「桜並木」!しかし雨足が強かったのでそこは素通り。天気がよければ沿道を歩きたかったのだが、残念だ。
桜並木の散歩はのがしたものの、
その先のループ橋ではいい写真を撮ることができた。
この写真を撮るのにバイクを並べたり、よりよいアングルを得るために三脚を調整したり、地面にひざまづいたりした涙ぐましい努力があったのだ。
たとえばこの写真。DR-Zと桜とループ橋がいい感じに写っているが・・・。
これを撮るためにこんな体勢をとっているのだ。観光地でもなかなかここまでやっている人は見たことがない。一人だったら間違いなくイタイ人だろう。見方によっては土下座してるようにも見える。
そんなわけで撮影会は終了。再びループ橋を堪能し、国道414号へ出る。しばらくすると天城峠という峠を超えるのだが、ここは国道で行けばトンネル一本であっというまである。しかしせっかくなので、旧道を通り、1903年に完成した石組みのトンネル、『旧天城トンネル』を通ることにした。
旧道はもちろん未舗装。雨にぬかるんだダートで大排気量組は少々大変そうだ。グネグネダートを登ること30分。ようやくトンネルの入り口まで到着した。
旧天城トンネルはちょっとした心霊スポットで有名なところでもあるが、やはりトンネルそのものはけっこうおどろおどろしい雰囲気をかもし出していた。トンネルの中に歩いて入るが、反対側から冷たい風が吹き抜けてくるのがまたコワイ。絶対夜は来れないなぁ・・・いや、昼間でも一人だったら来たくないかも・・・。
いやしかし100年以上前にこんなトンネルをつくる技術があったんだなぁと思うと感心する。昔はこの道がすごく重要だったんだろうなぁと思うと、つくづく歴史を感じてしまう俺であった。
トンネルの静寂をやぶり、7台のバイクが通り抜ける。下りももちろんダート。再び国道に出るとなんだかホッとしてしまった。
雨はいっそう強くなり、その頃続いて浄連の滝に到着。
ここで東峰のかわいそうな姿を見ることとなった。
グチャグチャに濡れたスニーカー、グチャグチャに濡れたグローブ。
大丈夫か?と聞くと東峰は弱々しい声でこう答えた。
「・・・もう・・・足が痛すぎて・・・足が冷たくて感覚が・・・ない・・・」
あまりにもかわいそうだった。しかしここで俺の防水ブーツを差し出してあげるわけにも行かない。ツーリングとはある場面では厳しいのだ。こうした経験によって東峰は大きく成長することであろう。考えてみれば今回のツーリング、東峰にとってはすべてが初めてのこと。初めてのツーリングで初めての高速に乗り、初めての峠を走り、初めてのダートを経験。そして初めての雨を経験したのである。ドラクエで例えれば
レベル1ではぐれメタルを倒したときくらいのレベルアップであると言っても過言ではない。すごいぞ東峰!
浄連の滝は下まで階段で降りるのがめんどくさいので、
お土産屋をプラっと見て退散。
雨がやむ気配がないため、予定していた西伊豆方面へ行くのを取りやめにした。なのでこの辺でいのしし鍋を食って帰路につこうということで合意した。
いのしし鍋はボリューム満点。これで3人前である。味噌ベースの汁にたっぷりの白菜やうどんが入っており、ある程度白菜がシナシナになるまでは、これ本当に食えるのか?ってくらい鍋からあふれ出している。いのししの肉は案外癖が無く、牛肉に近い感じがした。
これが煮込みまくったいのしし鍋である。上のそれとはまるで別物に見える。これだけ食べるとさすがにおなかいっぱいになってくるが、ここで店のおばちゃんが思い出したかのように人数分のご飯をご丁寧に持ってきてくれた。さすがに腹がキツイが残すのも申し訳ない。
そんなことを思っていると山田がこう言った。
「これぐらいなら全部鍋に入れておじやにすれば軽く食えるよ。俺が全部くっちゃる」
自信満々でこう言った。
それならば・・・ということでとりあえずご飯二膳分を鍋に投入。
10分後、山田のペースが落ちてきた。
俺「おい、まだ食べれるだろ山田よ。まだいっぱいあるぞ」
山田「・・・・。松木よ、さすがにきちぃわ・・・」
さっきまであんな自信満々だった山田は激しく弱っていた。
しかし残すわけにはいかず、みんなで協力して食べ、鍋はきれいになった。
でもこの鍋のおかげで冷えた体もだいぶあたたまった
いのしし鍋を食べた後は、一路東名高速、沼津I.Cを目指す。
山を抜け、市街地に入ると山田がこう言った。
「ヤバイ、
プレッシャーが高まってきたぞ!」
と、いうことで山田のトイレのため全員最寄のコンビニへ入った。
山田がトイレをすませ、再び出発しようと全員がエンジンをかけ始めたとき・・・
トラブルが発生した。
なんと竹本氏のCBRのセルがうんともすんとも言わなくなってしまい、始動不可能に陥ってしまったのである。原因はまったく不明。
とりあえずバッテリー周りをチェックするが漏電しているような感じもない。でも間違いなくバッテリーはダメになっているであろう。高速手前で突然のトラブル。ジャンプコードがあれば他のバイクから電気をとれるのだが・・・と、思いふと振り向くと・・・。
なんとそのコンビニの向かいは自動車整備工場であった。これまた山田もいいタイミングでプレッシャーを高くしたものだ。早速ここへ駆け込み、ジャンプコードを借りてくることに。
山田のZRXのバッテリーから竹本氏のCBRのバッテリーへジャンプ大作戦。まずプラス側をつなぎ、続いてマイナス側。接続完了したのち、ZRXのアクセルをふかし、回転を3000~4000回転にする。そしてCBRのイグニッションをON!セルを押すと・・・。
キュルルルル・・・ブォォォォォン!!
と息を吹き返したのであった。これには一同拍手!
無事トラブルも乗り切り、沼津I.Cへ向かった。
30分後、沼津I.Cから高速に乗る前にガソリンをみんなで給油した。
・・・と、同時に「帰りの会」を実施。総幹事の俺から一言述べ、ここから成田までは自由走行ということにした。例のごとく大排気量組は一気にかっとんでいった。俺と上原と東峰はのんびり成田を目指す。そして首都高がわからない山田もついてきた。
帰りは海老名SAに寄り。ここで腹ごしらえをした。俺は山田とたこ焼きを食い、まだ食い足りないのでなんかないかなぁとSA内をウロついてたらこんなのを見つけた。
海老名SA(上り)メロンパン。170円也。
メロンパンにしては少々お高いが、ちょっと気になったので買って食べてみた。
・・・うん、これはけっこううまいぞ!
外はサクサク、中はしっとり、ちゃんとメロンパンの味が中まで染みている。
たかがメロンパンとバカにして買ったがこれは当たりだ。
お土産用に買っておけよかったと後悔している。
海老名SAでのんびりしすぎたせいか、東名の終点東京料金所付近では渋滞が始まり、さらには首都高速谷町Jctまで12kmの断続渋滞。ヘルメットのシールドについた水滴で、車のテールランプが乱反射してすりぬけがけっこうコワかった。
なんとか渋滞を抜け、東関道はスイスイ。
寮についたのは沼津I.Cから高速に乗って4時間後の19時47分だった。
今回のツーリングも雨に降られたが、いい写真も撮れたしいい道も走れたし、今年初のツーリングにふさわしいスタートとなった。やはり伊豆はおもしろい。手軽に行ける距離でツーリング情緒満点だと改めて思った。
総走行距離530km。
そのうち機会があればまたこの大人数で行ってみたいと思う。
1泊2日、実に楽しい時間を過ごしリフレッシュすることができたツーリングであった。