伊豆の海岸沿いを走り、宿泊地である伊豆熱川に到着。
今回泊まる宿は、「紫雲閣ホテルオグラ」である。
料金は1泊2食付で9200円。夕飯は伊勢海老の3品御膳と値段の割にはなかなか豪華なものになっている。
まずは部屋に入り、お茶菓子でも食べながらくつろぐ。
7人部屋なので、部屋も広い。六畳ほどの和室が二間続きになっており、プラス窓際の3畳ほどのよくある典型的な和室だ。しかしテントなどとは違い、当然ながら自分の寝床を設営する必要がないためこれはうれしい。
夕食は18時半からということなので、その前に温泉へ入る。
このホテルの温泉は最近のホテルのような広いものではなかったが、こじんまりしてなかなか落ち着いた。
泉質もよく、ツーリングで冷えた体が芯から温まるような気がした。
風呂からあがり、時間もちょうど夕飯の時間となった。
と、いうことでひとつ上の会の宴会場(?)に向かった。
7人分の食事がキレイに用意され、なんだかちょっと贅沢な気持ちになった。みんなで乾杯し、ワイワイ盛り上がった。
今回初心者の上原や東峰からの一言、また今日いちばん楽しかった場面の発表などがあり、気分はまるで社員旅行のような感じだった。下手をすれば今日ツーリングでここへ来たということを忘れそうなくらいの雰囲気でもあった。
この辺は金目鯛がおいしいらしく、船盛りも金目鯛にしてもらった。あっさりした身がワサビ醤油によく合う。この船盛りを見ただけでも、「あぁ、旅行してるな」という気分にさせてくれる。他にも色々な料理が並び、これで9200円は安いと思ったくらいだ。我ながらいい宿を選択したと思った。
夕食開始から2時間ほど経ち、ぼちぼち部屋に戻る。
部屋に戻るとみんな思い思いの時間を過ごしくつろいだ。いや、くつろいだというか半分暴れていたような気もする(笑)
これだけ一部屋に人数が集まると気分は修学旅行である。
窓際でのんびりタバコを吸う人あり、ドラマを見てシリアスになってる人あり、頭を擦り付けあって石頭対決をしてる人あり、トイレに全裸で入り頭を抱えている人あり・・・。みんな思い思いの時間を過ごしていた。
しばらくすると、フロントから電話があった。
「貸切風呂の準備ができましたので、どうぞご利用ください」
そう、この宿には有料で「貸切露天風呂」なるものがついているのである。
お値段は一人250円ほど。風呂の鍵を受け取り早速その露天風呂へ!
いくら露天風呂だからといって、さすがに脱衣所は屋内にあると思っていた。
しかしドアを開けてビックリ!
いきなり
外である。
しかも露天風呂というか、
屋上につくった風呂という感じだ。
しかしそんなことを言っている場合ではない。海からの風が冷たく、服をぬいで浴槽に飛び込んだ。7人いればこれくらいのビックリがあったほうがおもしろい。
宿のおばさんには、
「一度に入れる人数は5人が限界です」と言われたが、
メンバー全員の7人で入った。
浴槽の許容容積が限界を超え超満員の山手線並の圧迫感。まさにスシ詰めという言葉がピッタリである。同時にお湯が大量にあふれ出す。
全員が浴槽からあがると
お湯が半分以上なくなっていました。次に入る方、ごめんなさいm(_ _)m
その後部屋に戻り、11時に消灯となった。
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翌朝7時。
最初に起きたのは月本氏であった。俺の隣で起きざまに、
「あ、そうだ日の出みなきゃ!」と言った。
この宿は海に面しており、日の出がとてもきれいに見えるそうだ。実際にフロントでも日の出の時刻を教えてくれるくらいである。
「あ、そうですね!見ましょう!」と俺も続く。
しかしここで俺は嫌な予感がした。
なんか障子の向こう側から
水が地面にあたるような音が聞こえる。もしかして・・・。いや、違う!海が近いから潮騒の音だ!そうに違いない!こう思って障子を開ける俺と月本氏。
・・・がくぜんとしました。
どしゃぶりです。
小降りとかでなくて、
どしゃぶりです。
しばらく二人で窓の外を見て停止。
「テンションさがるわぁ・・・」
と月本氏がつぶやいた。
途中で降られるのはしかたない。しかし出発時からこれだけの雨に降られるというのは精神的につらいものがある。まぁキャンプじゃないだけマシか・・・。
この際もう開き直るしかない。
と、いうことでみんなを起こし朝ごはんを食いに行く。
朝ごはんはバイキング型式となっていた。
たらふく食べた後、出発準備開始!
雨ということで全員完全装備で挑む。
そんな中、ツーリングが初めての東峰は準備万端であった。
まだみんな荷物もまとめてないのに、一人だけ室内で、ジャケットとGパンの上にレインウェアを着て、さらにはヘルメットまでも着用していた。やる気は十分である。
そして、「これ、すげぇあったけぇ!!」と感動し出す始末。
いやいや東峰君、
きっと今までが寒すぎたんだろうねぇ・・・。
・・・と、ちょっとかわいそうになった。
しかし彼は肝心なところを守る装備を持っていなかった。
そう、シューズカバーである。防水ブーツでもないただのスニーカーで来た彼は、のちのち雨にやられ、つらい思いをすることをまだ知らなかった・・・。
9時20分になり全員荷物をまとめ、降りしきる雨の中バイクへ荷物を積載開始!
ホテルを見上げると、客室の窓からいろんな人がこっちを、
かわいそうなものを見る視線で見ている。
その視線が俺たちにブスブスと刺さる。
荷物を積み終わると、出発前ミーティング。
ツーリングマップルのインクも雨に塗れ少しにじんだ。
ミーティングが終わり、各自がバイクにまたがりフォーメーションをつくりいざ出発!
出発前にもう一度上を見上げると、今度はいろんな人が手を振ってくれていた。
これにはちょっとうれしくなったが、いかんせん
年齢層が高い・・・いや、失礼。
ツーリング2日目が始まったところで今回はお開き!
次回は最終回です。