今日泊まる予定のキャンプ場、「オートキャンパーズエリアならまた」へ向かうため、林道を通りショートカットルートを通る予定だった俺ら4人。
ツーリングマップル上では、
「断続的に舗装路あり。フラットダート13km」
と書いてあったので、ゆっくり行けば普通にクリアできるだろうと全員予想していた。
林道の入り口に入る。
『秋鹿林道』
なかなか秋っぽいネーミングの林道だ。
秋らしく落ち葉もたくさん落ちていて実に林道らしい。
そして落ち葉と先日の雨で路面がぬかるんでいて、これもまた実に林道っぽい。
さらには出だしからの急勾配。またまた林道らしい・・・・・って・・・、
あれ、フラットダート・・・ですよね?
ぬかるみと湿った落ち葉でいきなりリアがホイルスピン。ちょっとあせった。
この時点で他の3人の人は遅れをとっていた。
月本氏「おいおい、これ大丈夫か~?」
俺「いや、フラットって書いてありましたからねぇ。たぶん出だしだけですよ!」
急勾配、ぬかるみ、そんな中でさらに急カーブ。カーブを曲がった先に待っていたもの、それは大きなワダチ、そして小さな川のようになっている泥水の溝。
この時点でフラットダートという言葉は消え去った。かなりマディーな路面だ。オフ車で攻めたら絶対楽しいくらいハードだ。
月本氏、その深いワダチで異例のエンスト。それくらいこの路面を1300ccでクリアするのはキツイということを生々しく表していた。
月本氏「いや、だめだ。これ無理だろ~やめよう」
竹本氏「こりゃありえん」
俺はUターンするためにもうちょいと先まで進んでみた。泥が相当深く、ここでもホイルスピン。ひさびさに立ちゴケするかと思った。
俺「うん、無理だ」
全員来た道を引き返して行った。
俺、月本氏、衣鳩氏はまとまって入り口まで戻ったのだが、竹本氏が戻ってこない。
ちょっと心配になったので、
俺「ちょっと俺、見てきます」
月本氏「たのむわー、俺と衣鳩が行ったら二重災害になるかもだから(笑)。竹本が大変なことになってたらクラクション鳴らしてくれ」
軽量級が唯一活動的になれる場でもあったので、再び林道へ入っていった。
竹本氏とはすぐすれ違うと思ったのだがなかなか姿が見えない。
「まさかなぁ~・・・」
と不安がよぎったそのとき。
正面からゆっくりゆっくり黒いバイクが向かってきたのでホッとした。
竹本氏「いや~まじでまいった。にっちもさっちもいかなくなってやばかったよ・・・」
どうやらUターンのときに、リアタイアがぬかるみに完全にハマってしまい、抜け出すのに相当苦労したそうだ。それにしてもコケてなくて本当によかった。
全員そろったところで気をとりなおして再出発。無難に舗装された県道で向かうことにした。
走ること2時間。
猿ヶ京の赤谷湖を経由して水上へ入る。ここは温泉地で有名な場所だ。
ならまたキャンプ場付近には買出しできる場所がないらしいので、ここらのスーパーで買出し。
今日のメニューは昨日と似たりよったりで、焼き肉、ピーマンに加え、たまねぎと焼き鳥、さらにはししゃも
を購入。それともう一つ。竹本氏が
アケビを購入。アケビとはこんな食べ物です。
アケビ。俺もマンガとかでは見たことあるが、食べたことはない。なんのマンガだか忘れたけど、その主人公がものすごくうまそうに食っていた記憶があるのでちょっと食べてみたかった。竹本氏もまったく俺と同感で、つい買ってみたらしい。
しかし、このアケビがのちに
事件を引き起こすことに・・・。
買出しを終え、あと少しでキャンプ場へ到着するところまで来た。
その途中に、「奈良俣ダム」があったので見学することに。この奈良俣ダム、高さ158mであり日本最大級の『ロックフィル式ダム』だそうだ。ロックフィル式というのは・・・なんだっけかなぁ。月本氏が説明してくれたんですけど・・・(笑)まぁ、気になる方は調べてみてください。
とりあえずそのダムの前でバイクを並べ記念撮影。
やっぱダムってすげぇなぁと感心しつつ、キャンプ場へ向け出発。
15分後、「オートキャンパーズエリアならまた」に着いた。しかし・・・、
入り口のゲートがCLOSEしていた。
月本氏「え!?だってまだ4時半だぜ!?」
俺「もしかしてもうシーズン終了とかですかね?」
衣鳩氏「そうだ、キャンプ場の電話番号あるから電話してみよう!」
ケータイを取り出し電話する衣鳩氏。
どうやら呼び出し音がなっているようだ。「プルルルルル・・・・」
しかし、何かおかしい。静まり返ったキャンプ場になぜかメロディーが響く。
それは、無人になった管理棟から聞こえているような気がした。
月本氏「衣鳩、ちょっと電話切ってみて」
衣鳩氏「はい」
電話を切った衣鳩氏。
同時にメロディーが聞こえなくなった。
一同「意味ねぇぇぇ~」
ここへ来て宿泊場所を失ったかと思った4人。
でもキャンプ場内をよく見ると、車をサイト内に入れてキャンプをしているファミリーを発見!早速俺と衣鳩氏が突撃インタビューに向かった。
衣鳩氏「あの~すいません」
お父さん「はい?」
衣鳩氏「なんかゲートしまってるんですけど、今日はもう受付終了なんですかね?」
お父さん「あー、そういえばさっきね、管理人の人帰っちゃったんだよ。今日はうちを入れて二組しかいないからさ」
俺、ぼそっと、「あれ・・・ここ管理人24時間常駐じゃなかったっけ・・・」
お父さん「でも明日になればまた来るから勝手に入っちゃっても大丈夫だよ。というか明日管理人さん来ないかも・・・(笑)」
お父さんの笑顔に俺と衣鳩氏、ちょっと安心。
と、いうことでゲートを勝手にあけていざキャンプ開始!
炊事場とトイレが近くて、適当にフラットな場所を選ぶ。
月本氏「俺こことっぴー!」
俺「じゃあ俺ここ~!!」
月本氏「あ!そこいいなぁ相当平らじゃん!やっぱ俺そこにする!」
俺「いやいやだめっすよぉ~ここは俺ですから」
そんなふうにはしゃぐ俺と月本氏。
竹本氏、冷静にテントをたてるエリアを探している。
しかし衣鳩氏、なぜか不機嫌だった。
衣鳩氏「こんなボコボコな地面でキャンプ場って言えるのかよ!!」
月本氏「あらあら、衣鳩さん珍しくご立腹ですな」
仏の衣鳩氏。珍しくご機嫌ナナメだった。その理由は次のセリフでわかった。
「なんで管理人帰っちゃうんだよぉ~!!毛布借りようと思ったのにぃぃ~!」
そう、彼は昨日の寒さに懲りて、今日は毛布を借りて快適に眠るつもりだったのだ。そんな期待を見事に裏切られた衣鳩氏、そりゃあご立腹になるのも無理はない。
月本氏、まぁまぁとなだめる。
衣鳩氏もテントを立て終える頃には腹の虫がおさまったようだ。
みんな暗くなる前には設営完了。
4人とも落ち着いたところで、今日のディナーの準備を開始。缶ビール片手に準備を進める。
ちょうどあたりも暗くなるころに準備も終わり、みんなイスを持ち寄ってバーベキューコンロを囲む。
しかし、この2日目の夕食で、2つのハプニングが起こることに!!
さらに続く...